たかしま園は大正4年に九州山地、釈迦院の麓で身を祓い、清める川
「払川」にて園祖である高島一平が栽培を手がけたのが始まりです。
平成元年より農薬をやめ平成26年より化学肥料をやめ度重なる試行錯誤の末「無農薬・化学肥料不使用」の栽培方法を確立しました。
美味しいお茶を通じて皆様に笑顔で喜んでいただくことが私どもの願いです。
お茶の樹は「窒素」という肥料成分が成長するには必要不可欠です。
化学肥料は窒素成分を高濃度で含んでおり、それに対し有機肥料は土壌中の微生物が
活性化しますが窒素成分は少ないのが特徴です。
環境に配慮し有機肥料のみで美味しいお茶を栽培するには窒素成分を確保することが難しく、収穫量の面で大きな壁にぶつかり、自ら肥料づくりに取り組みました。
発酵肥料・液体肥料・たい肥などを組み合わせることで何年もかけて改善してまいりました。
そして平成20年から試験的に一部の畑で、化学肥料不使用栽培の着手にこぎつけ
窒素成分不足による味の低下を抑える事にも成功し、やわらかくて優しい味わいになりました。
平成26年よりたかしま園の全茶畑で化学肥料を使わない栽培方法をしております。
たかしま園は平成元年より人にも自然環境にもやさしい農薬をつかわない
「無農薬栽培」に取り組んでおります。
無農薬栽培に移行してすぐは害虫や病気が多く発生し被害に悩まされましたが、
数年後には害虫を食べるカマキリやテントウムシなどの益虫が増えて病害虫が異常発生する
ことは無くなりました。
農薬を使わないことで今では自然環境と調和のとれた栽培・収穫ができています。
安心・安全なお茶作りはもちろんのこと、自然環境を守るのも農家の努めだと思っております。
お米には「コシヒカリ」や「あきたこまち」といった品種があるように
お茶にも「やぶきた」、「さえみどり」、「おくみどり」といった品種があります。
お米と違いお茶は新しく植え付けて収穫できるまで5年を要します。育成期間とコストを考え
多くの生産者が5品種ほどでお茶を栽培しています。
たかしま園では平成28年現在、全15種類の品種を栽培しております。
緑の水色が綺麗にでる「さえみどり」…花のような香りがする「みなみさやか」…
うま味が強い「おくゆたか」…品種ごとに魅力があります。
さらには機能性表示食品として注目され、目や鼻の不快感を解消してくれる「べにふうき」など
品種それぞれの特性を見極め、商品になるまでを見据えて栽培・製造・ブレンドし
味わい深く美味しいお茶を完成させます。
「玉緑茶」は九州に伝わる少し珍しい製法で、煎茶と同じように生の茶葉を蒸して揉みながら乾燥していきます。
製茶加工後半で茶葉に重りをかけて細く揉み込んだものが「煎茶」。
重りをかけず熱風の中、宙に舞わせて乾燥させたものが「玉緑茶」です。
出来上がりの見た目が曲玉ような形状から「玉緑茶」と呼ばれるようになったそうです。地域によっては ぐり茶やヨンコンと呼ばれることもあります。爽やかな香りとスッキリとした清涼感ある後味が特徴です。
たかしま園の玉緑茶は品質を高めるため遮光ネットで育成する作業、通称「かぶせ」を行いながら品質を追求し製造しています。
一番茶初期 4/20~4/25くらい製造
無農薬・化学肥料不使用栽培のかぶせ茶で、たかしま園では
最高級のお茶を目指して作りました。
緑の水色、爽やかな香りと濃くまろやかな旨みの味わいで
70℃~50℃で静かにゆっくり出す淹れ方をおすすめします。
贅沢なお茶の時間をお楽しみください。
一番茶前半 4/23~5/2くらい製造
無農薬・化学肥料不使用栽培のかぶせ茶で、
たかしま園で一番人気のお茶です。
80℃~60℃でゆっくり出す淹れ方をおすすめします。
爽やかな香りとまろやかな旨みの味わい。贈り物にもどうぞ。
花粉症・アレルギーの方の為に作りました。
「べにふうき」という品種に豊富に含まれる「メチル化
カテキン」がスッキリ・爽やかな生活をサポートします。
スティック1本に1gの粉末茶が入っており
湯呑みやペットボトルに溶かして飲むだけ。
カテキンパワーは濃いほど強くなります。
モヤモヤ・ぐしゅぐしゅから解放されましょう!
茶摘みの7~10日前から「寒冷紗」という被覆資材を新芽が小さい茶の樹にかぶせます。
そうすることで旨味成分テアニンと緑が鮮やかな葉緑素が増えたりとこの作業は緑色の
綺麗な美味しいお茶作りには必要不可欠です。
日光に晒された茶葉はものの数時間で、元の状態へ戻されてしまうので、突風が吹いた
夜明けには寒冷紗が外れていないか見回りをします。
お茶を摘む直前に寒冷紗をはがし、光を浴びた若々しい新芽を茶摘み機械によって
収穫します。
摘み取られた新芽は時間が経てば、しなびれてしまうので、収穫後すぐの製茶加工を徹底
しています。
生の茶葉を販売されている緑茶の状態へ加工、それが製茶加工です。たかしま園は
「玉緑茶」製法で作っています。
茶畑から運ばれた新鮮な生葉は時間の経過とともに品質が低下していくので、それを
防ぐため湿度のある風を送る保管装置「生葉コンテナ」に投入し蒸される時を待ちます。
生葉を蒸気にあて「殺青」といわれる茶葉が緑色を保つ工程を行います。蒸気をあてながら、回転する筒状の金網の中を撹拌しながら通します。
蒸しは緑茶の出来上がりを大きく左右する重要な工程です。
蒸し時間が長いと深蒸し茶という濃く味や色が出やすい製品になります。
たかしま園はやや深蒸し茶にすることによって味や色が出やすい
お茶を作っています。
蒸された茶葉を葉打機→粗揉機→揉捻機→中揉機→再乾機→乾燥機と
5種類の機械を通し揉みながら乾燥させます。時間をかけて揉むことで
成分が抽出されやすく味が良くでます。
しっかり乾燥させることで一年間の保存でも品質が変わりにくい状態に
します。
電気選別機・風力選別機・色彩選別機で茎や粉を選別し回転しているふるいにかけ、
大きさを揃える為に切断して乾燥機から出たばかりの不揃いなお茶を
美しく整った状態に仕上げます。
仕上げ加工の終わったお茶を長期保存に耐えれるように20kgごとに小分けして真空し
冷蔵保存します。
真空後、小さな穴が開いて空気が入る可能性がありますので一晩様子をみて点検し
冷蔵庫へ入れます。
火入れはとても繊細な仕事です。気温や湿度などによって味が左右します。以前上手く
できた時の気温・湿度と同条件で火入れを行っても同一の品質でできるとは限りません。
お茶を十分に観察し、火入れ温度や時間を微調整し、また季節に応じて新茶時期には若葉の様な新鮮さを残したり、寒い冬の時期には少し香ばしさをつけたりと常時工夫して
おります。
品種ごとの特性を見極め、ブレンドのベース(大黒柱)や緑の水色出し、香り出しにと品種ごとに役割を考えバランスをとりブレンドします。
直近では平成28年に「きらり31」という品種を定植しました。たかしま園では今後も有望品種を展開してブレンドに深みをつけていきます。
ブレンドしたお茶を販売用の小袋に袋詰めする際にも品質保持できるよう真空時に窒素br ガスを注入しております。br 窒素ガスは空気の78%を占める大変安定した気体で、窒素ガスの中でお茶は酸化することなくお客様に封を切るまで確実に品質を保持します。