美味しいお茶の淹れ方
試飲して買ったはずのお茶が家庭で淹れたらおいしくなかった…
同じお茶の葉なのに…
という体験談を耳にします。
試飲と違う茶葉を売るという悪徳業者もなかにはいるでしょうが
試飲を出した販売員はお茶を売るプロですから
おいしく淹れる方法を心得ています。
緑茶、紅茶、ほうじ茶おいしくを淹れるコツをお教えします。
①水を選ぶ
美味しいお茶は美味しい水から。水の硬度を意識されたことはありますか?
硬度120mg/l以下を軟水と呼び、それ以上を硬水と呼びます。
硬水は重い口当たりに苦みがあり、一方軟水はまろやかな口当たりが特徴と言われています。
日本の水道水の多くが軟水で日本人の口と食品には軟水が向いています。ご家庭で硬度を調整できる軟水機を設置されていれば、それで十分です。
②お湯を沸かす(カルキ臭除去)
水道水は通常衛生状態を保つため塩素が入れられています。これがカルキ臭の原因ですので家庭で簡単に塩素を除去しましょう。
ボウルや桶など空気に触れさせながら一日汲み置きすることで除去できます。
近年は家庭用浄水器やウォーターサーバーを導入される方も多く水への意識も高まっています。
次に沸騰させましょう。
笛付きヤカンで沸かす場合「ピーーッ!!」と勢いよく音が鳴るまで沸かします。
水の中の空気や不純物を取り除けます。
しかし沸かし過ぎにも注意。茶を出した場合に苦渋味の原因となります。
ミネラルウォーターをご利用の場合もしっかりと沸騰させましょう。
③湯温の調整
緑茶の場合
お湯の温度が高いとお茶に含ませる全ての成分が濃く抽出されます。旨み、甘味、苦み、渋味…できるなら苦みや渋味は少ないお茶を飲みたいですよね。
それができるんです。アミノ酸は50~40℃のぬるいお湯でも溶け出します。お味噌汁のダシをとる際も煮立てませんよね。同じ理屈です。
苦味、渋味のあるカテキンは体に良い成分ですが高温でないと溶け出しにくい性質ですので、80~50℃のぬるめの湯温で淹れますと旨み、甘みが強く感じられます。
熱いお茶がお好みの方、寒い冬場に暖をとりたい場合は熱湯でも構いません。
好みや場面に合わせて「美味しくいただく」ことが何より重要ですから。
紅茶の場合
紅茶は熱湯を用います。味もそうですが香りもまた熱湯の方がよく出ます。渋味が苦手な方は少し冷ますか砂糖・ミルクをいれるなどしてお好みの味を見つけてください。
また水とミルクを1:1の割合でティーパックと砂糖を入れ弱火で煮立て、シナモン・しょうが・カルダモン等を入れるとチャイが作れます。
ほうじ茶の場合
ほうじ茶も熱湯を用います。強火で焙煎したほうじ茶は苦渋味の少ないお茶です。熱湯でだしてその強い火入れ香をご堪能ください。
④お茶と湯の量(一人分)、待ち時間、出し方
緑茶の場合
茶葉 2g お湯 40cc(70℃) 待ち時間 40秒~1分
急須に茶葉を入れ、お湯を入れ蓋をして約1分待ちます。
お好みの濃さになるように2~3回にかけて湯のみに注ぎます。
最後の一滴まで出し切ってください。最後の一滴が一番おいしいです。2煎目以降は味が薄くなるので湯温を上げてもよいでしょう。
紅茶(ティーパック)の場合
茶葉 2g お湯 100cc(熱湯) 待ち時間 1~3分
ティーパックをカップに入れて熱湯を注ぎます。
3分後ティーパックを取り出します。渋みが苦手な方はお早めに取り出してもいいでしょう。
こちらも最後の一滴まで出し切ってください。紅茶の世界では最後の一滴に敬意を表し「ゴールデン・ドロップ」と称しています。
ほうじ茶の場合
茶葉 3g お湯 100cc(熱湯) 待ち時間20秒
急須に茶葉を入れ熱湯を注ぎ、蓋をします。待ち時間は30秒ですので、一呼吸置いたくらいで湯のみに注いでよいでしょう。
お茶は夏には冷たいお茶をたっぷりと、冬には濃いお茶を少しだけ…といった具合に飲み手のことを理解して出すと、ノドの渇きだけでなく心まで豊かに潤してくれるでしょう。